以前、骨内ストレインについて書きました。
施術の中で、手を引く動作を使って肋骨にアーティキュレーションをかけることがあるのですが、今回それを行うと手首がポキ、ポキと鳴る方がいらっしゃいました。
検査するとどうやら胸部が硬くなってしまったために、そこからの引っ張りを受けて、手首が可動性亢進を起こしているようでした。
胸部の触診をすると胸骨の捻じれがあり、骨内ストレインが内在していましたので、そこへアプローチをします。
前回のブログでのケースは骨の特に骨膜という感じでしたが、今回は骨膜というよりも、骨梁自体の捻じれかなという感じでした。
胸骨への施術後、胸部の可動性が出て、手首のポキポキ音はほぼ改善されました。
胸骨は胸の中心にある短いネクタイのような形の骨で、12対ある肋骨のうちの7対が肋軟骨を介して関節していて、この関節を胸肋関節と呼びます。
(※正確には、胸骨には7つの関節面があり、10対の肋骨が関節します。言葉だとややこしいので割愛します。)
上から一番目の肋骨は、胸骨と軟骨結合という強く硬い結合をしていて動きが無いのですが、第二肋骨以下は関節包を持っています。
これは肋骨の二番目からはある程度の可動性を持つことの表れでもあります。
今回のケースはおそらく胸骨のストレイン=たわみがこの関節包の機能を低下させ、一部位の胸肋関節の可動性が減弱を起こし、手首に可動性亢進を起こしていたのだろうと推測しています。
胸骨や胸郭は全身へ影響を及ぼすとても大切な場所ですが、最近このあたりの機能低下を起こしている方が多く見受けられます。
これはもしかしたら昨今の常時つけるようなマスクや、公共交通機関などでの息苦しさが原因なのかなとも思います。
胸郭のシステムは免疫系にも影響を及ぼしますので、オステオパシーでお身体のケアをされるのも良いと思います。