今回は下位交差性症候群についてお話しします。
下位交差性症候群は腰痛や腰回りに関してのものですので、一例として「反り腰」をイメージしてみましょう。
反り腰の時に影響される代表的なパターンは、
「脊柱起立筋や腰方形筋と、その対角下部にある腸腰筋や大腿直筋が収縮して硬く弱くなり、
反対側では腹筋群と殿筋群が伸長して硬く弱くなる。」です。
(言葉にするとややこしいので下の図を見てもらった方がイメージが湧きやすいと思います〇)
大抵の場合はグラビティラインの影響で、腰部が悲鳴=痛みを出すケースが多いようですが、股関節に疼き感や痛みを出すケースもあります。
股関節の場合、特に「グローインペイン」と呼ばれる、ハードにスポーツをしている方に起こりやすい、鼠径部痛症候群の原因となっている場合もあります。
特に、大腰筋は腰椎から股関節を繋ぐ人体最大のインナーマッスルですが、「腰椎が伸展傾向にあると、より伸展を増大させる」という特徴があります。
実際に腰の痛みを出しているのが、腰部のアウターマッスルの脊柱起立筋だとしても、腰部のインナーマッスルである大腰筋が原因であれば脊柱起立筋をいくらほぐしても根本改善は見込めません。
そもそも、腰に痛みを出しているのが脊柱起立筋ではなくて大腰筋のケースもあります。
今回はボディメイクのコンテストふうの絵を使ってみましたが、人はその時折の姿勢や格好に対応して筋が動きます。そしてこの部分の理解が動作分析やバイオメカニクスにつながります。
このかっこよくて美しい姿勢も、ずっと同じ姿勢でいたら下位交差性症候群の温床となり得ます。大切なことは、身体全体が調和を持つことと、調和を持って動けるようになることですね〇